その生き方は破綻に対して脆弱で危機に弱い

http://blogs.yahoo.co.jp/katzeblanca/26095282.html

自分が好きであろう演奏を自分で選ぶゲームは、まあ、続けていれば的中率は自ずと上がるだろう。

強い言葉を使って申し訳ないが、それは一種の自涜行為だ。

それを続けていて退屈しないのであれば、別に他人がとやかく言うことではない。

でも、何かの拍子で自分が気に入らないものに出会ったときに、何に対してなのかよくわからないけれど、凶悪に不機嫌になって、とっちらかって怒り出す、ということになると、他人からは八つ当たりにしか見えないので、はなはだ迷惑だ。ヘイトスピーチ大好きなウヨと同じくらい迷惑だ。というより、それはウヨとほとんど区別がつかん(笑)。

自分が好まないものに遭遇したときの対処法をもうちょっと洗練させていただきたい。

ひょっとすると、好ましからざるものと遭遇した途端に正気を失ってしまっており、正気を失っている間のことはよく覚えていない、というようなキレやすいパーソナリティなのかもしれないが、どうにかしてくれ。

(そういえば、岡田暁生も、好ましからざるものに遭遇したときの対応が呆れるほど下手で、だから彼は、「ハイカルチャーの住人から見た20世紀」というような、相当に倒錯した切り口からでなければ20世紀を語れなかったりするわけだが、それでもどうにか、他人に迷惑をかけない語り方を見つけつつあるみたいだよ。君はどうするの?

先の第一次世界大戦本では、19世紀においては可能であったような「ヨーロッパのインテリが世界を第一人称で語る行為」(ヨーロッパが世界の中心であるという認識のもとで、ヨーロッパの中心にいる私が一人称で世界を統一的に語りうるかのような幻想)が破綻したところに20世紀が成立した、というようなことに言及したくだりが、キミの抱える問題と関連しているように思うのだが……。そしてそのようではない語り方の試みは、高級な議論から、「それって中二病じゃん」というネットの匿名掲示板発祥の言葉遣いによると思われる物言い(今では大学生が普通に使う)まで、あたりにたくさん転がっていると思うのだが……。)

精神の変容 (現代の起点 第一次世界大戦 第3巻)

精神の変容 (現代の起点 第一次世界大戦 第3巻)

[あと、あなたが自分の「勘」とみなしているものの正体が問題で、外から眺めていると、あなた結構、他人の意見に影響されてコロっと意見が変わることが多いよ。「勘」というブラックボックスのなかに、このあいだ優しくしてくれたあの人がこんなこと言ってたなあ、とか、頭が上がらないあの人はこういうときにこんな風に振る舞っていたなあ、とか、そういう雑多な「他人の声」が入ってるんだと思う。

世の中にはワルモノがいて、キミに面と向かって何かを言わなくても、キミが「勘」と呼んでいる脳内フォルダをキミに気づかれないように外から開けて、こっそり色々なものを仕込んで思うがままに操ったりする人がいるのよ。

で、そういうワルモノ対策として、最近は「勘」とか、そういうブラックボックスに頼らないで、外からでも中からでも、何が出入りしているか素通しにしたほうが最終的には安全だってのが、世間の知恵になりつつあると思うわけだが、それは、キミにはまだ難しい話かもしれないので、今はいい。

(たとえばこの文章だって、いつの間にか「あなた」が「キミ」にすり替わって何やら怪しげなイジり方をしてるでしょ(笑)。)]

ちなみに、次回、日経では先日の上野真のびわ湖ホールでのベートーヴェンを取り上げる予定です。充実したコンサートについて、ヒトは800字でここまで語れる!というのに挑戦だ。