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obsession としてのクラシック音楽

『音楽と感情』の20世紀を扱う最後の章で、チャールズ・ローゼンは、ノスタルジーや異化効果といった20世紀の音楽が喚起する感情を過去の様式への obsession ではないかと書いているが、いわゆる芸術音楽を越えて、映画などでフルオーケストラ(生オケ)が鳴り響くときの効果も、この議論を応用して説明できはしまいか、とさっき思いついた。

ただし、もしあれを一種の obsession と言いうるとしたら、過去の様式が文化の共有財(精通していなくてもその意味合いが了解されるような)になっていないと obsession は成り立たないだろうから、クラシック・コンサートが衰退したり、ローカルな芸能になっていくと、そういう手法は意味をなさなくなるはず。ゴジラやスターウォーズや大河ドラマでフルオーケストラが鳴り響かなくなる日が来るのかどうか?

(映画よりも、案外後発のテレビのほうが=ディズニーや東宝よりもNHKのほうが、先に劇伴でのオーケストラ使用を止めてしまうのではないか、という気がしないでもないのだが、どうだろう。)