ペーリ/カッチーニ「エウリディーチェ」の日本での上演

学生時代、国立音大の高野先生の集中講義が阪大であって、そのときに、先生が国立音大で「エウリディーチェ」を(たぶん演奏会形式で)上演したときのビデオを見せていただきましたが、

記録としては、ペーリ「エウリディーチェ」は1970年の東京室内歌劇場(第一生命ホール)が日本初演で、一方、カッチーニ版「エウリディーチェ」は2016年のアントネッロによる上演が日本初演

ということでいいのでしょうか。

1600年フィレンツェの「エウリディーチェ」は、ペーリ作曲分とカッチーニ作曲分を混ぜて上演されて、ペーリ版、カッチーニ版は、おそらく、それぞれがのちに出版した楽譜にもとづいているのでしょうか、どちらも1600年フィレンツェでの上演を再現したわけではない(再現できるだけの史料情報が揃っているのか、ということも、私は専門外でよくわかっていませんが)、と理解したのですが、それで正しいのかどうか。

ネットを検索すると、アントネッロが2016年の上演を「最古のオペラ譜による上演」という微妙な言い回しで宣伝しているのが見つかって、古楽運動も、そういう風に、自分たちの上演がいかに貴重なものであるか、というアピール、プレゼン、書類上の体裁を最優先するご時世なのだなあとウンザリするのですけれど。

いずれにせよ、ペーリ/カッチーニの「エウリディーチェ」のことを思えば、「白狐の湯」の音楽様式は、地味でオペラとしては成功していない、と簡単に切り捨てられないと思うんですよね。

ペーリ/カッチーニの「エウリディーチェ」を舞台で誰かが決定的な形で上演して欲しいです。各地で当然ながら色々な試みがあるはずで、どうして、日本でできないのか、と思うのだが。