Robert le diable

名前は有名で、音源は前から持っているが、ようやく人に説明するときに使えそうな映像が見つかった。マイヤベーアのグラントペラは本当に復権しつつあるようですね。

ただし今回は、オペラ史ではなく舞曲史・バレエの歴史の説明で使います。

隔年開講の舞曲史という授業を受け持つようになって3回目、6年前の学生さんはもう大学院も終了していて、なかにはいよいよオペラの本公演に出る人もいるようですが、回を重ねるごとに学生さんの関心も本格的になってきて、クラシック音楽と呼ばれるジャンルへの関心の力点が、劇場や舞踊を視野に入れて、急速に変化しつつあるのかなあと思ったりします。

名前は有名だけれど稀にしか上演されない(されなかった)舞台作品はたくさんあって、オペラや劇場の研究は、八方手を尽くして資料を集めて、貴重な上演があれば世界中どこであっても飛んでいく覚悟がないとできないわけで、だからこそ、岡田暁生が「封建体質」と呼んだ気風が残るのだろうと思う。実際にそれを見た人間が圧倒的に強くて、見た人がこれはこうだ、と言ったら、周りはそういうものかと思うしかないところがある。

(たとえば、関根礼子が資料やデータの読み方を間違えて、修禅寺物語が1952年に放送で初演された、と書いたら、それが踏襲されてしまう。誰も見ていないし、資料も持っていないですからですね。)

いわゆる「情報化」で、確実に緩和されて、誰かが情報を独占して大名になれる分野ではなくなっていくだろうと思いたいところだが、はたしてどうなることか。

(マスカーニのイリスも、マイヤベーアの悪魔ロベールも、実際にどういう作品なのか調べて、聴いて、ながめてみたら、歴代のオペラ大名が言っているより、ずっと面白そうなんですけどねえ。)