2014-04-01から1ヶ月間の記事一覧

講読

今年は授業で学生さんと岡田暁生の本を読むことにした。(と、さりげなく、でも、いちおう書いておこう(笑)。ちなみに、彼が以前担当していた枠でやる、ちゃんとした授業でございます。オトナの階段を上るのじゃ。)

雑談

その1:我が子の入学式が、親にとって仕事を休んででも行きたいor行ったほうがいいイベントとみなされている現状に驚いた。勤務先の学校と子どもの入学先の双方において、親が学校行事の主要参加者とみなされ、参加不参加が「到底どっちでもいいとはいえな…

音楽評論家の「介護」の目安(私案)

今や世の中はケアの時代。音楽産業も、自分たちのエリアに入ってきた者は、ミュージシャンであろうが聴衆であろうがメディア関係者であろうが、常に臨戦態勢・120パーセントの万全の介護体制でお迎えします、くらいの勢いじゃなければ生き残ることができない…

資料の分類

混沌としていた資料の山がかなり片付いた。 (a) 公刊されている既読の資料(世間に知られており私も知っているもの) (b) 公刊されている未読の資料(私にとってはこれから読み、学ばねばならないが、世間にとっては既知のことなので、ぐずぐずしないでさっ…

詩は改行する:尼ヶ崎彬『近代詩の誕生』

近代詩の誕生―軍歌と恋歌作者: 尼ヶ崎彬出版社/メーカー: 大修館書店発売日: 2011/12メディア: 単行本 クリック: 3回この商品を含むブログを見る 明治からあとの日本語の 近代の詩は自由韻律。 どういう理屈でこうなのか 確認したくてこの本を買う。 すると…

イーゴリ公新演出

メトのライブビューイング、いい演出でしたね。

ん?

(コパチンスカヤがスクロヴァチェフスキ&N響と関西へ来たのはもう随分前だと思うぞ。オフの日があるので、どうのこうの、という話が伝わってきたからよく覚えている。自分に都合よく記憶をねじまげちゃダメよ。)

ソリストへのケアの倫理

絆がキーワードになっている昨今、ひとつの潮流として「ケアの倫理学」という言い方があるらしい。誰にとっても無縁ではいられない具体例としては、老人介護と子育てですね。老巨匠の傍らに、スクスクと育った若手奏者がつきそう図は、その意味で、ちょっと…

音楽の周辺の知的なものと、そうでないもの

「知的」という言葉が、ドイツ語だと「wissen 知る」から Wissenschaft 学問(=知ること一般)の語が出来ているから話は簡単だけれど、scienzia(知る)から来た science(本来、知ること一般、の意味だったんじゃないのかなあ、どうなんでしょう)とは別に…

助演は人間国宝、みたいな感じ?

庄司紗矢香とブレスラーは同じプログラムで全国7箇所を回るんですね。東京は明後日。[追記:ホルヌング&河村のデュオも、大阪の他に大原美術館と東京文化会館(小ホール)でやったことをあとで知る。]

真・善・美はそのままにしておけば必ず腐敗する

世間は裁判沙汰が視野に入ったことで、「学問の世界がこんなにドロドロしたものだったとは、がっかりです……」という感じになっているようだが、組織は必ず腐敗する、ということではないかという気がする。音楽も、ほっといたらどんどん俗っぽい感じにまみれ…

基礎工事重要

偽ベートーヴェンの人は素に戻るとオジサンだったが、万能の人は素に戻るとコドモだった。(ふわふわした「声」が最初に動く姿を拝見したときから気になっていたのですが(質問する記者さんたちの声と比較すると差が歴然としているように思う)、ご自身のこ…

組み替え

去年の秋頃から、今度はほんとに世の中が大きな節目を迎えようとしているのではないとずっと思い続けていて、そうすると、冬以後にあんやことやこんなことが起きて……、そうして春が来て、ザワザワした予感が現実になってみると、どうやら、何かがはっきり変…

高視聴率

約6時間前 312人がリツィート[……]約17時間前 296人がリツィート

河村尚子

日本のクラシックは「若手の登竜門」が国内にも国外にもやたらとたくさんあって(←ただし国外は自分たちで運営しているわけではなく、勝手に「登竜門」認定してそこでの好成績を派手に報じる形)、そこを過ぎて中堅・中年になると、急に何もなくなってしまう…

それは藪蛇

今日は、バスが狭い道の悪質な違法駐車に立ち往生して大変だったが、公道は法令で使い方が定められている。(つまり「国民」が使い方を申し合わせて合意している。)そして学校には、おまわりさんが交通ルールを教えに来る。教科書以上に「大切にしよう」は明…

受益者?

「教育を受ける権利」を行使している個体を受益者と呼ぶことのほうが私には違和感がある。そして子どもに教育を受けさせる義務があるのは「国」ではなく「親」だ。「国」は親たちの義務、子どもたちの権利の遂行を円滑ならしめる環境を整えているに過ぎない…

書く、と、考える

「美しい日本語」で書けないことは一切考えない、と割りきるのは、ゲームとしてならありうるのかもしれないが(古語による和歌とか)、通常、漢文脈や欧文翻訳などで拡張された領域なしに、まともに物を考えられるとは、私(←主語!ではないが)には思えない。書…

方便

地位が人を作る、とか、「学位はとりあえず今できるところまでやって出しなさい、本当の研究はそれからです」とかいうのは、やはり、その場しのぎのダメな方便、実現可能性の極めて低い虚言だったな、と実感する今日この頃。

左翼ごっこ

(帰宅したら書く。→書いた。なお、これは一般論ではなく、そういう風に「よそおう」人がいて、人を惑わすね、というだけの話に過ぎません。でも、人には人の事情がある……のだそうです。まあ、そうでしょう。とはいえ、個々人の事情や思想と、具体的な行動を…

2001年12月29日にいただいたもの

家を整理していたら、こういうものが出てきた。封筒の表書きによると、朝比奈さんが亡くなった日の大阪フィル「第九シンフォニーの夕べ」で関係者に配られたようだ。中身は翌年の大フィル手帳。我が家の「朝比奈隆」の資料フォルダに収めさせていただきまし…

コレクションとアーカイヴ

コレクションは、おそらくアーカイヴの代用もしくは前提以上のものではない。見た目の立派さ具合にまどわされずに、その違いをわかっておかないと、おそらく、色々不都合なことがおきる。そして、前から思っていたのだけれど、既存のコレクションやアーカイ…

「かわいげ」なるもの

死んだ父は、資本主義と関係なく、いまだに法事の日が快晴になる「晴れ男」だが、それがどうかしたか?むしろそこで問題になるのは、おそらく、「かわいげ」なるもののある/なしが商品の売れ行きに有意な差をもたらす世の中であることだと思われる。強いて…

政府さん、お世話になります!

オトナの善良で澄みきった瞳が子どもの「曇った」世界を眺めると発見があるらしい。ああナルシシズム。親が子どもに何を教えるか、さじ加減が変わってきたから、国が子どもに伝えることも相関して変わってきた、ゆうことなんやろ。国がしくみをちゃんと維持…

人がたくさん

終演後、階段の踊り場みたいなところに下野さんがいた。明日はPACか。フェスティバルホールを出て、川のあたりの歩道が人でいっぱいになって、その中に混ざって歩いていると、ああ、これが大阪の音楽会やなあ、と思ってしまう。

デジタル・ヤンキー:電脳の非知性的エリート主義

話はそれほど複雑ではない。「データのいわゆる「デジタル化」は情報社会というのがあるとして、そのメインフィールドではなく、サブの領域に過ぎないのではないか。」ということに尽きる。ここ数年いくつかの仕事で「デジタル化」なる作業をいくつか見聞し…

ものを作ろう!

解釈や論評の「ごっこ遊び」はアホらしいと思うけど、ものを作るのは、ごっこ遊びでも大歓迎、是非どんどんやるべきだと思っている。トンチンカンなものが出来上がったって、別にええやん。それを「恥ずかしいことだ」などと萎縮させて、他人の「まね」を強…

コレクションの先に何があるか

たぶん私は蒐集・コレクションの機微がわからない人間でございまして、気がつけば、もう騒ぎが収束しているようなので人間は飽きるのが早いものだと思うわけですが、10年くらい前に大澤壽人が「発見」されて、その界隈(どの界隈?)でそれなりに評判になっ…

工場

19世紀のエンジニアはたぶん最先端の職業で、わたくしたちが子どもの頃もまだ、工業が「くに」を支えているのだと社会科の授業で八幡製鉄所から太平洋ベルト地帯までの「れきし」を教わり、工場見学というようなことがあったように思うわけですが、ひょっと…

借りたものは返す、貸したものはきっちり回収する

フロイトの精神分析はどうしたって患者が医者に依存・転移してしまうけれど、でも、有料の治療で金を払う・受け取ることで後腐れのない関係になっている。だからいいんだ、と柄谷行人が座談で言っているのを読んで、記憶に残って、ことあるごとに思い出す。…