プッチーニ「蝶々夫人」のアメリカ批判

[6/1,2 記事の真ん中あたりに、あれこれ補足しております。]

マスコミ報道だけを眺めていると、何がどう問題なのか、さっぱりわからなくなってしまう今日この頃。

先日、こういうご指摘を見つけました。

たとえばプッチーニのオペラ『蝶々夫人』が、イタリア人らによるアメリカ人批判でもあることは、存外理解されていない。[……]台本作者(リブレッティスト)らには、アメリカ人ピンカートンを悪人として描くという意識があったことは、プッチーニの楽譜の出版者の手紙に「ピンカートンはアメリカの卑劣な灌腸剤」という罵言があるのでもわかる(モスコ・カーナ『プッチーニ』)。しかし、日本の研究者は、日本対西洋、オリエンタリズムといった枠組でばかり、このオペラをとらえる傾向が強い。(小谷野敦『日本論のインチキ』、161-162頁)

日本文化論のインチキ (幻冬舎新書)

日本文化論のインチキ (幻冬舎新書)

続きを読む