京都府立府民ホール・アルティ。純度の高い響きなのに、どこか暖かみのある声。こういう演奏でイギリス・ルネサンスの宗教曲を聞くと、翻って、フランドルのオケゲムやジョスカンの音楽(シェーンベルクやウェーベルンが夢中になった)は、15、16世紀の音楽の中でも、極度に秘教的なものだったのだと、改めて思います。後半、タリスと、タヴァナー「ミサ・グローリア・ティビ・トリニタス」(ハイトーンが異様に艶かしい)を組み合わせる形でミサの5つの通常文を歌うなど、面白い選曲でした。他に、バード「諸聖人の祝日のためのミサ曲」など。