大阪フィルハーモニー交響楽団第391回定期演奏会

ザ・シンフォニーホール。大植英次指揮によるマーラー「交響曲第3番」(メゾソプラノ:坂本 朱、合唱:大阪フィルハーモニー女声合唱団、大阪すみよし少年少女合唱団)。この作品には、独唱・合唱が加わるというだけでなく、独白調の語り(第1楽章のトロンボーン)やリート風旋律(第3、6楽章)など、様々な声楽的要素、「声」が交錯しているように思うのですが、声を生かす(この場に立ち止まり、充実した今を楽しむ)というより、ひたすら先へ先へと進む演奏。曲の性格が違うのに、以前の「第2番」や「第6番」とあまり変わらないスタイルでした。第2楽章は、音楽監督就任披露公演の「第2番」第2楽章を思い起こさせる暖かい好演。

この前のめりな突進が「大植スタイル」だ、という見方はもちろんあり得ると思います。でも、何年にもわたって一緒に仕事をするのだから、大フィルが変わるとともに、大植さんも変わっていく、そういう関係であって欲しいという思いが私にはあります。