処理速度

今の日本の街は、人が殺到するのをいかに効率良くさばくか、限界までチューンアップされているように見える。

いわゆる「動線」を巧みに設計して、行列に手際よく誘導して、あとは、レジなどの処理速度を超人的に高める。

コンビニが典型で、そうなると、お客様とのほぼ唯一の接点は、人格化された情報端末というべき現場担当(レジのバイトなど)のみになる。

合理的だが一点に負担を集約して、だから殺気立つわけで、これが、現場から見た接客ビジネスのいわゆる「ブラック感」の芽になったりすると損しそうだよなあ、と他人事ながら心配になったりしなくもない。

カウンターの処理速度を劇的に高めて、行列を解消できる具体的で現実的なイノベーションの当てがあるならいいのだが、そうでないなら、発想を変えて、人が一時に一ヶ所に殺到しない仕掛けを工夫する手がありはしまいか。

この列に並んで待つんだったら、かわりにこっち見て時間つぶそう。あるいはお茶一杯飲んでいくか、おっ、サイン会やってるじゃん、「あらアンタも来てたん、エライ久しぶりやなあ」と立ち話、等々。逆に場の空気を緩める作戦。

こういうの研究してる人いそうだよな、と、抽象的な数学がいろんなところとつながる本を読みながら思う夜。(デジタルデータのエラーチェックがシンメトリーの数学とつながっている、とか面白い。やっぱ頭は柔軟に使わなアカンね。)