レコードはプロデューサーの作品だったりするかもよ

大栗裕の小狂詩曲をオランダ王立海軍軍楽隊が演奏したレコードが1968年末に発売されているのだが、これは当時、日本ビクターにいた井阪紘がフィリップス・レーベルの音源に新録音を加える形で企画した国内盤吹奏楽シリーズの1枚だった。(当時のバンドジャーナルに井阪紘自身がシリーズの趣旨を書いた文章を寄せている。)

大栗裕の吹奏楽のための神話が話題になった東芝EMIの大阪市音楽団のレコードのプロデューサーは、そのちょっと前に「赤い陣羽織」のレコーディングを手がけたのと同じ佐藤方紀だった。

観念的なフェティシズムを回避する形で「もの」としてのレコードへの愛着を語ろうとするときには、レコード会社とその社員さんたちの動きを掘り起こしてみるのが吉。