いっちょかみ

こいつ、すぐ、ややこしいとこに出てくるなあ。

作曲者がゲイだとかユダヤ人だとか、つまりはマイノリティ属性をもっていた話は、隠すのは偽善だが、探せばいくらでも出てきて、むしろ、ありふれている。

そういうことを意識した演奏がなされると予想できたら解説に書く意味があるだろうけど(例えば前半がプーランクとコープランドで、メインがブリテンだ、とか)、そうでなければ、演奏前の30分に読みながら気持ちを高める目的で書いてある文章に、ゴチャゴチャ何でも盛り込むのは逆効果です。……とプロなら考えます。政治活動はホールの外でやってくれ。

あと、最近の音楽団体は年間スケジュールの発表がむしろ早すぎ。

昔は1ヶ月くらい前に急遽追加でコンサートが決まる、とか、あったみたい。速報メディアが限られていた時代なので、必死にチラシ巻いたりしたんですかね。それでも来る人は来る。(ソ連時代には口コミが生命線で、いい演奏会は休憩後から続々と人が集まった、とか、そんな話もあるじゃないか。)クラシック興行は、妙なところが官僚的になりすぎてると思う。チョンボしても言ったもの勝ち、みたいのを一方で黙認するクセにね。

全体として、ザ・ギョーカイであるところのマスコミ擦れしすぎてるんじゃないのかな。興行側が。そしてそのような、ギョーカイっぽさは、聴衆層が高齢化しているのに見合った「周回遅れ」感がある。そういうのに絡め取られないペースをつかんだところが抜け出すんじゃないですかね。京響なんて、まさに、そうだ。

適度にマスコミ擦れして、ワンテンポ遅れてるくらいじゃないと、いっちょかみが食い込む余地がなくなって困るかもしれないが……。