芸術文化について、人気のないジャンルは自然淘汰されればよいという考えの人もいるけど、そうすると、その時代に受けるものだけが生まれては消えていくだけで、受け継がれるべき芸術文化が断絶してしまう。公的な助成でマイナーなジャンルを存続させるのは、今だけではない未来の人々のためでもある。
若くしてアメリカで成功した指揮者の生前の評伝を書いて世に出たオッサンの日本観がこのように凡庸な「吹きだまり辺境論」(1960年代生まれなのに言うことは内田樹と同じ)というのは、示唆的かもしれない。
オッサンたちがこのように凡庸な現状維持を言い募るから、親たちは、見切りをつけて、優秀な子どもを海外で学ばせるんだよね。
そうしたオッサンたちは、公的助成で存続している業界にぶら下がって仕事を得ているのだから、構造的な停滞である。