快著

踊る昭和歌謡―リズムからみる大衆音楽 (NHK出版新書 454)

踊る昭和歌謡―リズムからみる大衆音楽 (NHK出版新書 454)

いっそ、「DJ. WAJIMA」とかの変名で出版して、二度目のサントリー学芸賞を狙ってもよかったのではないかと思うほどだ。

(心がねじ曲がって、ひねくれた言い方しかできずに申し訳ない。でも、「輪島祐介が学芸賞を10冊連続受賞!2020年には3冊同時入賞!!」と食えない最強ぶりを演出するくらいのほうが盛り上がるのではないか。「ベストテン男」寺尾聰が大河で徳川家康を演じる時代なのだから……。)

複製芸術な「レコード歌謡」の人が、ここではライヴの「踊る歌謡」の人になったわけで……、

読みながら、たぶんあと5年したら、ポピュラー音楽論では、今度はシートミュージックが来るんじゃないかと、インチキな予想屋のようなことを考えた。

昭和後期のレコード → 昭和前期由来のダンス

と遡っているのだから、次は大正のマンドリン、ギター、ハーモニカで、古賀メロディーのハイカラとは何であったかを探りつつ、大衆音楽がエリート音楽から「楽譜」を奪還するときではないか。民族音楽学が果たし得なかった天下統一の野望が実現するですよ。

大衆音楽におけるコードネーム、タブ譜、数字譜とは何であったのか、問題。

(ブルースハープという系譜もありますね。)

「次」を狙いたい人は、今から大阪のセノオ楽譜とか収集しておくといいのではないだろうか。

(そうなってくれたら、大栗裕・関学のマンドリンにも光が当たりそうで嬉しいのだけれど。)