吹奏楽のためのフーガ

(「ゼロ年代の吹奏楽」の既視感を承知の上で文脈を組み替えて新味を出す感じは、やっぱり「ゼロ年代の批評」と似たところがあるかもしれない。

でも、いまや「中学高校の10人にひとりは吹奏楽部」と言われる時代なので、リスナーの数は、批評より圧倒的に多くて若い。しかもリスナーは同時にプレイヤー(楽譜のユーザー)なので、与えられたものを受け取るだけではなく、色々なレスポンスが書き手に跳ね返ってくるはず。その行く末がどうなるか、ですね。

実は東京藝大で安宅賞を取った人が書いた吹奏楽のための本気のフーガを発見したのだけれど、大久保賢さんに教えると、また心が千々に乱れて、その結果が吉と出るか凶と出るか、何かのはずみで中高校生や作曲家に刃が向かうといけないので、ヒミツだ。)