1920年代/ピアノの諸相

ザ・フェニックスホールのレクチャーコンサートシリーズ「ピアノはいつピアノになったか?」第7回。

小沼純一氏のレクチャーは、掘り下げると面白いかもしれない断片的な指摘が、紋切り型の時代描写に埋もれてしまって、あまり楽しめるものではありませんでした。

演奏(小坂圭太)は、ゴドフスキー「ジャワ組曲」が印象的。グロテスクな音楽ですが、ヨーロッパのヴィルトゥオーソの時代錯誤の楽天性と、無責任なエキゾチズムがまかり通ってしまう時代があったのでしょうし、そういう野放図さを平気で「回顧」できてしまうマニアックな視線が、このレクチャーを支えているのかな、という気がしました。