ベルク「ヴォツェック」

ザ・カレッジオペラハウスの二〇世紀オペラ・シリーズ。

イタリアオペラがスター歌手の檜舞台だとしたら、ドイツオペラは、モーツァルトやウェーバーの時代から、歌(イタリア人ほど洗練されていない)と芝居(演出)と管弦楽のチームプレイ(ワーグナーの「総合芸術」というのも、要するに、そうした状況を弁証法で理論武装したキャッチコピーでしょう)。

上手いというより、適材適所でベストを尽くす人選、はったりのないオーケストラ(指揮、山下一史)、小劇場風のシンプルな美術、リアリズムの演技(演出、栗山昌良)。ドイツの地方劇場のような舞台でした。もともと、ベルクの作品に、ドイツの郷土芸能的な一面があるということだと思います。