シュトゥットガルトのラインの黄金

昨年の日本音楽学会関西支部例会シンポジウムでも、いわゆる「読み替え」の典型として話題になった公演。

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面白いか否かといえば、面白いし、よく練り上げられた演出だと思いました。(舞台上は、20世紀初頭のクアハウスの出来事として、シチュエーション・コメディ化されています。)

また、昨年のシンポジウムでは、「大衆迎合」という言葉も出ましたが、聴衆に媚びる感じではないですね。

ただ、ここまでしてワーグナーの音楽を救済しようとする情熱は、何だろうとも思います。

たぶん、台詞やストーリーだけ残して、ワーグナーの音楽なしのお芝居にすれば、さらにテンポも良く、面白くなると思うのですが、それではダメなのですよね。

ドイツ(「楽劇」を生み出した国だけれど、決してオペラの本場ではない)の音楽史は、難物を抱え込んでいるのだなと、改めて思いました。