池上英樹 打楽器リサイタル

バロックザール。北爪道夫「Side by Side」を聞き、一昔前の、敏捷な動物のように駆け回る、体当たりの打楽器演奏ではなく、正確なパルスがあらかじめ身体化しているような印象を受けました。こういう人だから、舞台上の動きがそのまま音(リズム)になる、岡田加津子「鉄は熱いうちに打て!」が、面白くなるのでしょう。

植木鉢を叩きつつホメロスを朗唱するルセフスキ(Rzewski)「To The Earth」は、語り(と植木鉢のリズムの交錯)を前面に押し出す解釈。舞台上にぽつんと座って、沈黙がちに声と音が続くといった、やり方もあり得るのかなと思いました。(池上さんは、そういうキャラクターではなさそうですが。)