「木曜リサイタル」作曲家シリーズ全8回終了

ピアノの木下千代さん、チェロの元井あずささんによるこの日6月28日のショパンで、ムラマツリサイタルホール新大阪の「木曜リサイタル」作曲家シリーズ全8回が終了しました。

5月10日から6月28日まで、毎週木曜日19:30からの約一時間半。公演時間はやや短めで、インタビュー・コーナーもあり、体裁はサロン・コンサート風ですが、曲目は各作曲家のピアノと室内楽の代表作。ありそうでなかったスタイルの音楽会になったように思います。

出演者、スタッフの皆さま、ご来場いただいた皆さま、どうもありがとうございました。
主催者、大阪アーティスト協会の機関誌にも書かせていただきましたが、全8公演を振り返ると、ピアニストの皆さんを「ひとりにしない」ことが、通常の、孤独な試練(?)になりがちなソロ・リサイタルとの一番の違いだったように思います。トーク・コーナーでお客さんに「生の声」をお届けしたり、舞台上に共演者という心強い仲間がいたり、周りの「人」の存在を意識しながらのピアノ演奏を積極的に楽しんでいただければ。そのような思いで公演をお手伝いさせていただきました。

私自身は、話が上手なわけでもなく、卓抜な企画力とか、絶大な集客力とか、そういうものは一切ありませんから、最後まで、なぜ自分がステージの上に立っているのか、納得しえないままでありまして、とりあえず誰かが何かの理由でここに立てと言っているみたいだけれど、もし「引っ込め」と言われれば、いつでも何の躊躇もなくそうさせていただこう、という非常に軟弱な心境の日々でしたので、終わってほっとしているというのが正直な気持ちです。

「軟弱な心境」とは言っても、その場に私がいるべきではない、という見極めがつけば潔く止めるべきだし、何らかの積極的な意味を発見できれば、それが良い形で生かせるようにするべきでしょうし、常に進行形で状況が流動的なつもりでいなければならないというのは、こういう仕事をさせていただく上で当然のことだとも思っております。

ひとまず、大阪アーティスト協会では、秋以後も同様の企画を継続すると聞いていますので、引き続きどうぞよろしくお願いします。