無題

朝比奈隆が死んだとき、朝日新聞の伊東信宏さんの追悼文に大変感銘を受けたので、次に会ったときに感想を述べたら、伊東さんは「やっぱり生きている間に言わないと……」とぽつりと言った。

批評は、本人に面と向かって言うことなんだな、と、それ以来、よくそのことを思い出します。

学問は、対象がモノであったり、相手がもう死んでいたり、こちらが何を言っても相手に届かないのが一般的ですが、それは、何を言ってもいいということを意味しない。相手に言葉が届かないということが、学問の言葉を鍛える倫理なのではないかという気がします。

中村とうよう死去、自殺だったようですね。