ハイシーズン感

書かずもがな、かもしれないけれど、ウィーンとベルリンとその他、いわゆる「名門中の名門」の来日がこの時期に集中したのは、結局、この時期に年間スケジュールの目玉企画として招聘する、というのでないと企画が動かない、という日本側の都合ではないのだろうか。

つまり、「あなたがたのような素晴らしい団体は、いつ来てくださっても大歓迎なので、一番来やすいときに、そちらのご都合でいらしてください」とは言えなくなっているのではないかと……。

外国のオーケストラを招聘する、あるいは、自国のオーケストラが外国を訪問する、というのを一種の外交・儀式として運営する含みがどんどん希薄になって、なおかつ、純粋にビジネスとして最大に効率化しないと実現が難しい、という風に可能性が絞り込まれていくと、こうなる、とか。

シロウトの邪推かもしれませんが。

歌劇場にくっついているウィーンのオーケストラと、コンサートをビジネスとして大々的に組織してる感じのベルリンと、オランダの誇りコンセルトヘボウと……、それぞれ性格は随分違いそうだし、横並びに扱う視点は、招いた日本側にしかないような気がします。

オーケストラの移動は、現状ではほぼ完全に輸入超過なわけですが、この先も、これ続けられるのだろうか? 半世紀続いてるから、まだしばらくは大丈夫か?

(スケジュールが重なりそうだ、とわかった段階で、「ジャパン・エイド - 震災から2年世界のオーケストラによる復興支援」みたいに看板かけちゃえばよかったのかもね。実際、もうそろそろ東京へ行っても大丈夫、ということで皆さんフルメンバーでの来日になったのでしょうし。

それぞれが勝手に企画すると、オリンピックのあたりでスケジュールがぐちゃぐちゃになっちゃうかもしれないですし、国際都市東京さんは、今から整然とした「文化外交」の練習をしとかなきゃ。)