ダメおやじ

未来の設計図を描く、などというのは、年寄りに最も不向きな仕事なのだと思う。マーラーとかそのあたりの人たちは、当人たちは「モダニスト」のつもりでああいう壮大なヴィジョンをぶち上げたんです。でも、外から見ると誇大妄想にしか見えないから、それで事後的に「世紀末的」と言われるようになった。

今、じいさん、おっさん、ばあさん、おばちゃんたちが熱に浮かされたように色々言ってることも、あとから見たらそんなことになりそうに思う。

(いまだにクラシック業界が前世紀末のつづきでマーラーだシュトラウスだコルンゴルトだ、となっているのは、年寄りがいかにダメか、ということですよ、結局。)

どうせ最後は、赤子に戻って若いもんの世話になるんやから、若いもんにバトンタッチする道筋を塞いだらあかん。

死んでから調べてみたら、実は借金まみれで、どないもこらいもならしまへん、なんや、生きてる間は景気のいいことばっかりいっとったくせに、あのじいさんは食わせものやったなあ、では、恥ずかしいし、そうかといって、今更、ない袖は振れないのだから、「持たざる残念感」は、若いもんに隠さず伝えといたほうがええよ。

自分たちでなんとかするしかないんだ、と若い人たちに気づいてもらわないことには、どうにもならんのだから。

パクリでも何でも、適当に体裁を整えてくれたら、あとはオレが何とかしてあげるから、とか、できもせんのに、オトナ風吹かせてはダメよ。