ルーマニアのマリン・コンスタンチン(の息子)

イオン・マリンのブラームスは独特で、ところどころ、まるでドヴォルザークみたいだと思いながら聴いていたのだけれど、改めて彼のプロフィールを確認して、ああ、ルーマニアの人なのか、と、何か手がかりを得たような気がした。

独特の色彩感というか、いくつものメロディーがそれぞれ生き物のようになめらかに動きながら絡まり合う感じは、往年のチェリビダッケのドイツ音楽に対する独特のとらえ方とか、先日コンクールで聴いたアルカディアという弦楽四重奏とかと、ちょっと似た感触があるように思う。

チェリビダッケはコントラバス弾きだったらしいけれど、イオン・マリンはどうなのだろう。

Born in Bucharest, his father was conductor and composer Constantin Marin. He took courses in composition, directing and piano at the Ciprian Porumbescu Conservatory in his native city, leaving Communist Romania in 1986.

Ion Marin - Wikipedia, the free encyclopedia

残念ながら彼自身は音楽院で指揮とピアノを学んだらしいけれど、ここにも名前が出てくるお父さん Constantin Marin が気になりますね。

He was well-known all over the world for his expertise on Renaissance music, Baroque, Gregorian songs and Traditional Romanian music. He was designated a UNESCO Goodwill Ambassador in 1992.

Constantin Marin - Wikipedia, the free encyclopedia

YouTubeでパパの音源や映像が色々見つかる。

パパの名前はMarin Constantin と表記されることが多いようで、マリン・コンスタンチンで探すと色々ヒットしますね。

カトリックの多声音楽文化圏の人。息子のイオンも、きっとそうだと思うな。ブラームス(ハンブルク出身)がウィーンで書いた交響曲(初演はビュローのマイニンゲンのオーケストラだけど)が、ドヴォルザーク(敬虔なカトリック)みたいに聞こえたのは、偶然ではないかもしれない。興味深い。