二律背反発生装置の評価と更新

もう行かなきゃいけない時間なので簡単に書く。

「そんなの聞いてないよ!」というウッカリさんが、ひょっとしたらいるかもしれないけれど、劇場・ドラマは、そもそもが矛盾・解けない対立・二律背反を発生させる装置としてずっとやってきているので、誰かのやり方について、「こんな矛盾を放置するのはけしからん」という論法は的を外している。

音楽がハーモニー、調和の芸術だとしたら、ドラマは矛盾、対立の芸術。(そしてオペラはハーモニーをドラマに投入して、ドラマをハーモニーが包もうとするから話がさらにややこしくなる。)

では具体的にどこでどうやって矛盾、対立を発生させるのがいいか。もし「オペラの未来」というようなことを考えるとしたら、たぶんそういう話になるはずで、

コンヴィチュニーは、刺激的な仕事を色々やって、テクニックも豊富だから、さしあたり本人が現役のうちに学べること、盗めることはできるだけたくさん学ぶ、盗むのがいい。(人間なので、絶対いつか死にますからね。)

ただしそれはそれとして、当然、他のやり方、対案は出せるはず。

もうじきアカデミーは終わりますから、未来の道筋について、何か手がかりを得ておきたいとは思いますよね。

とはいえ、あと3日で何が起きるかというと、彼がやろうとしていることはひととおり提示されたので、今度は若い歌手の皆さんがそれをどこまで、どういう風に受け止めるか、受け止められるか、その成り行きを見せていただくことになるのだろうと思います。

歌手の方々というのは、本番とそこで自分のやるべきことが設定されると、そこへ向けてガガーッと動き出す集中力が凄いですもんね。