改悪人事

秋・冬は病院で死んだ父を偲びながら「ドクターX」の米倉涼子様を毎週拝見することになっているわけですが、伊東四朗・西田敏行と続いた「外科部長はコメディアン」の原則が崩れたことに動揺している。秘書のお姉さんは盗聴しか楽しみがなくなってしまっている……。あからさまな退廃、組織はこういうところから腐っていく。

(人事部は実によく見ていて、悪のりが過ぎると次の異動で引き締める。西田敏行がジェスチャーゲームをやりだしたあたりで、ネタ作りにスタッフや脚本家が巻き込まれるに至っていたと思われ、なるほどこれは、会社としても看過できまい。

コメディアン枠消滅のきっかけを作った西田の責任は重い。現場で彼を止める者はいなかったのか、演出陣のモラルが厳しく問われる(笑)。)

[そしてあの「関西」の扱い!あんな奇妙な部族は見たことないぞ。このシリーズの「関西」の過剰な戯画化は、スタッフ内のお笑い擁護派をあぶり出すためのワナなんじゃないか。こういうエサに食いつく奴はブラックリストで要チェック、とか(笑)。監視社会は恐い。お笑いの闘いに終わりはない。]

[追記:米倉涼子が「美人の皮を被ったオトコ」なのと、一徳さんが「オンナの心をもったオトコ」なのは一対だから、仮に会社の上層部にオカマ嫌いのセクシストがいたとしても、あの配役に手をつけることはできまいと思われる。あれが崩れるときは番組自体が終わるときだ。

一方「外科部長はコメディアン」路線が廃止されたのは、この設定がドラマのプロットの根幹ではなかったせいでもあると考えられる。北大路をここへ押し込む「ザ・芸能界」的勢力の暗躍を推測して終わるのではなく、こういうことにならないように、最初の段階でプロットはしっかり組み立てておかないとダメってことだ。「人文」はこういう風に実社会で機能している。]