佐村河内風マーラー

2管編成のオーケストラが定期演奏会でマーラーをやるとなると大量のエキストラが入っているはずだが、正確なメンバー表はパンフレットに載っていなかった。(ハープが上手だったのに、誰だかわからないじゃないか。フルートのニコリンヌはメンバー表に名前がないから退団したんですね。まあ、残念。)

学生オーケストラが音が汚くなっても大きな音で一生懸命鳴らしているかのような演奏だったこともあって、

「マーラーの交響曲第5番を定期演奏会で上演した」

という実績を作りさえすればいいと思っているかのような公演になってしまい、なんだか、佐村河内守の交響曲第1番を聴いたときの印象とよく似ていた。

(休憩中の男性トイレに異様に長い行列が出来ていたのは、どういうお客様方だったのかしら。)

増田聡先生、こういう風に、思わぬところに格好の「関連素材」が転がっていたりするから、あるテーマを研究するときには「現場に足を運ぶ」が大切なのです。

客席は盛況で、終演後は拍手喝采で皆様ご満足のようでしたし、日の丸背負った東条碩夫は、こういう演奏会こそ、大絶賛するのが「役目」なんじゃない? 百田尚樹を見習わなきゃね。

[マーラーは佐村河内よりはるかに難しい譜面なので、それをまるで佐村河内であるかのように平明に聴かせるのは、オーケストラがかなりの技術を持っている、ということにはなる。

逆に、この聞き続けるのが苦痛なマーラー演奏で思ったのだが、佐村河内名義の作品は、所定の演奏効果を狙い、聴衆を「デス」で「ロック」な感じの苦痛に陥れる一方で、奏者に過剰な負担を強いないような配慮がなされていたのか、それとも、新垣さんが書きたいように書いちゃっているのか、譜面があるなら、そのあたりは一度誰か確認して欲しい。]