学会に必要なのは自治会・労組ではなく管理組合の発想ではないか?

ふと気がつけば、40代でいくつかの中間団体の会計係ばかりをやってきたが、会社でもなく家族的でもない数百人規模の中間団体のなかでは、集合住宅の管理組合が一番面白く独特だなあ、と思った。

私有財産の共同管理をどこまで自主的にやるか、外部に委託するか、業者や自治体との関係が色々あるし、ガス・水道・電気はどうなっているのか。各種工事をどういう風に回していくのか。規約と合議の関係をどう調整するのか、等々、お金の管理の面からひととおり見ることができて勉強になった。

(会社や私学にはそういうのを自前で切り盛りする部署が当然あるが、国公立大学にいると、そういうのは全部、官僚にお任せになってしまう。教員という立場の不完全燃焼感は、ここに起因するのではあるまいか? とはいえ、組織を壊さないように「口舌の徒」をこの領域に入れるのはやっかいである。)

日本音楽学会がなんだか不透明なのは、会員(研究者)の自主管理でもなく、運営を外部委託しているわけでもなく、「学会本部」という曖昧な機関を設けているせいだと思う。委員とは別に「職員」というのがあるけれど、規定があるのかどうか、採用基準はどうなっているのか、など、情報が会員に開示されていないですよね。いちおう会計監査の対象にはなっているはずだけど、それだけでいいのだろうか。

学会は、ボランティアの自主運営ではなく、事実上、人を雇用してしまっているわけです。

学会誌の編集の風通しが良くなりかけている今の流れを推し進めるとしたら、本部を適性にコントロールする体制が要ると思う。