「あなた」と「私」

団地の府営賃貸のほうには外国人の方がかなりの数住んでいらっしゃるようで、団地内のマーケットには、昨年、フィリピン人の経営する食堂ができた。

日本のなかの外国を「あなたは知らない」と言うけれど、実際には、新聞記事の話者から「あなた」と呼びかけられた私たちが日常的に知っていることを、私たちからみた「あなた」であるところの新聞記者さんが知らないだけだったりするかもしれない。

人称の惰性的な用法に、「みんなのマスメディア(20世紀ヴァージョン)」の困難が透けて見えた例かもしれない。