信念を疑う:無宗教と反宗教

「日本人は無宗教だ」というのは、ちょっと違うのではないか。キリスト教世界の宗教を疑う、いわば、反宗教の思考のようなものが、必要とされなかったのか、輸入に失敗したのかはわからないけれど、曖昧になっているだけなのではないか。

……というようなことを考えながら、今年は音楽美学の授業で、キリスト教の信仰と音楽論の関係をもうちょっと詳しく説明しようと思っている。信念を疑う思考をちゃんと説明しないと、五感の肯定であるとか、認知の感性学であるとか、という最近の話題につながる線が見えなくなってしまいそうなので。