先輩後輩関係とは何か?

学校とか会社とか、単一の組織の内部でその組織に所属した時期がいつなのか、ということに意味をもたせる場合があるのはもちろん承知しておりますが、複数の機能集団が織りなす社会関係は、そんな個々の組織の内輪の都合をリセットしたところで形成されるし、先輩後輩関係は、積極的に無視しないと、話が複雑すぎてやっていられるものではない。

……という理解で私は生きていますが、何か問題があるのだろうか?

中年から初老にさしかかる人たちが、先輩後輩関係を思い出せ、と言わんばかりの発言をしたり、かつての先輩後輩関係を懐かしがったりするのはどういう心理なのだろう。「社会」に疲れたということなのだろうか。

あるいは、暗黙の先輩後輩関係を維持して物事を切り盛りしていた世代が背の中から本格的に退場する巡り合わせになって、いままで「後輩」であることの恩恵を受けていた人たちが、それじゃあ今度はオレが「先輩」になる番だと思っていたら、そもそもそういう約束事自体が消失して慌てている、みたいなことなのだろうか。