新・音楽の未来への旅シリーズ2004「室内楽の現在形」

いずみシンフォニエッタ大阪メンバーによる演奏会(いずみホール)。ドビュッシーのチェロソナタではじまるとはいえ、カザルス「鳥の歌」(チェロ、ピアノ)、メシアン「夜の終わりの四重奏曲」のクラリネットソロの楽章「鳥たちの深遠」、シュニトケ「きよしこの夜」(ヴァイオリン、ピアノ)と続くステージを、「室内楽」と呼ぶのは、いくら何でも、強弁が過ぎる気がしました。後半のショスタコービチのピアノ五重奏曲(第1ヴァイオリン:中島慎子さん、健闘!)も、弦楽器がひとまとまり動くことが多く、曲の性格は、むしろ、ディベルティメントではないかと思いました。

企画に隙があるのは毎度のことで、ほとんど、いずみシンフォニエッタのキャラクターのようなものになりつつあるのかもしれませんが、そこに居直られても、聞いている方は、あまり、嬉しくないような……。