大阪シンフォニカー交響楽団第96回定期演奏会

指揮:円光寺雅彦、ザ・シンフォニーホール。パンフレットによると、今回演奏されたラフマニノフ「交響曲第3番」を初演したのは、ストコフスキーとフィラデルフィア管だったとか。音のパレットをフル活用したオーケストレーションは、グールドがストコフスキーについて書いた文章を思い出しました。ラフマニノフは、最初から「フィラデルフィア・サウンド」を想定してこの曲を書いたのではないか、そもそも、彼らがいたから、アメリカで交響曲を書く気になったのでは? 実際の作曲経緯はよく知りませんが、なんとなく、そんな気がしました。濁った響きや、硬直してグシャリとつぶれた音が混じったら台無しになる贅沢な音楽。

他には、芥川也寸志「弦楽のトリプティーク」、ハチャトリアン「ヴァイオリン協奏曲」(独奏:漆原啓子)。