バッハ・コレギウム・ジャパン

神戸新聞松方ホール。チェンバロ協奏曲の原曲を、復元上演。まるで聖書を詳細に注釈するように、バッハを知り尽くしたい、という人にとっては、興味深い試みだったのだと思います。

ヴァイオリン協奏曲ニ短調BWV.1052R、チェンバロ協奏曲BWV1054、オーボエ・ダモーレ協奏曲BWV1055R、3つのヴァイオリンのための協奏曲BWV1064R。

演奏は、鈴木雅明氏(チェンバロ)が、丹念に戦略を立てて(策を弄して?)、作り込んだもの。その分、どうしても、全体の見通しが先行する、予定調和的な音楽に聞こえてしまうのと、全員が、チェンバロの顔色(だけ?)をうかがうような、父権的で、放射状のアンサンブルなのが、気になりました。

個々の演奏法は、最新の研究を踏まえたものなのでしょうが、全体をまとめる世界観が、やや窮屈。「それがバロック音楽、バッハだ」という立場なのでしょうけれど。