マルガサリ版「桃太郎」

作曲家の野村誠さんが十年がかりで取り組んでいるガムラン集団による「桃太郎」、大阪公演初日を観ました。

この夏、マルガサリの問題作『桃太郎』待望の大阪公演が実現しました。「鬼ヶ島でなにがあったのか」ぜひ、みなさんの目でお確かめください。


『桃太郎』は、野村誠(作曲家)の音楽監修のもと、2001年に制作を開始、2005年に全5場が完成し、滋賀県甲賀市碧水ホールで上演されました。初演当時は3時間半の上演時間でしたが、ブラッシュアップを重ね、大阪では2時間という凝縮した公演となりました。ガムラン演奏者が俳優やダンサーにもなって舞台上を駆けめぐる画期的な上演方法は、アジア的な劇作法を大胆に押し進めるものとして、大きな話題を呼んでいます。

Gamelan Marga Sari-桃太郎2007 全五場-

全編、楽譜が一切存在しない野村さんとガムラングループ「マルガサリ」との集団作曲で、可愛いシーンもあり、魔笛風のところもあり、アマチュア劇団っぽい出し物……と思わせますが、クライマックスの鬼ヶ島での桃太郎と鬼の対決シーンはすごいです。音楽&動きはガチンコの即興らしいのですが、物語としても、それまでの流れからどういう結末になるのかまったく予想できなくなって、文字通り「体を張って」一歩一歩必死で進んでいく状態に追い込まれていきます。野村さんはこれがやりたかったのかな。そして、この先に何があるのか、何が起きるのかをつかむプロジェクトなのかな、と思いました。

今日も二日目の公演があるようです。当日券があるのかどうか等、私にはまったくわかりませんし、小さなスペースですが、可能であれば観ておいたほうがいいと思います。

野村誠さんの作曲日記(ブログ)。過去の記事もあわせてどうぞ。

桃太郎の公演、一日目が終わりました。

2007-08-21 - 野村誠の作曲日記