渡辺佐『オーストリア辺境の旅』(含む:「聖フロリアンの鐘」新訂)

ひきつづき本のご紹介。

大阪フィル1975年のヨーロッパ演奏旅行は、聖ブロリアン教会でブルックナーの7番を演奏したエピソードで知られていますが、渡航資金のためにと、一般有志を発起人とする募金運動が盛り上がったりもしました。音楽評論家、渡辺佐さんの『聖フロリアンの鐘』は、舞台裏を綿密に取材した力作ルポですが、『オーストリア辺境の旅』は、これを第1部として、オーストリア旅行記を第2部に加えた新装版。

目次等はこちら http://www.hanmoto.com/bd/isbn978-4-88325-423-1.html

新訂版「聖フロリアンの鐘」では原著(第一法規版)に掲載されていた前書と後書、各国の批評、約三〇〇〇人の募金協力者名簿を削除した。主観を排除し、このような事実が実際にあった記録だけを残せばよいと考えたのである。この市民運動は今や忘れられているが、この頃幼児だった人が二〇一〇年には大阪府の知事である。

オーストリア辺境の旅 渡辺 佐(著/文 他)(サンライズ出版)| 版元ドットコム

朝比奈ファンを自認しつつ、『聖フロリアンの鐘』をお持ちでない方は、お手元にいかがでしょうか。

ブルックナー:交響曲第7番

ブルックナー:交響曲第7番

  • アーティスト: 大阪フィルハーモニー交響楽団,ブルックナー,朝比奈隆
  • 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
  • 発売日: 1987/08/21
  • メディア: CD
  • クリック: 11回
  • この商品を含むブログ (14件) を見る

部数をそれほど刷っていないとのことで、版元の関係でアマゾンでは中古しか出ていませんが、ジュンク堂書店などでは取り扱っているようです。 http://www.junkudo.co.jp/detail.jsp?ID=0011041814