霊媒のことば

メノッティ:「泥棒とオールド・ミス」「霊媒」 [DVD]

メノッティ:「泥棒とオールド・ミス」「霊媒」 [DVD]

Mediumつながり。本文と特段の関係はありません。

      • -

生きている人間に異を唱えると、「先方にも事情があるのだから」となだめられ、死んだ人の過去を探ると、「死者への冒涜」とされる。キリがない。その時言えることを言えばいい。

      • -

音盤の向こうに生き生きした演奏者の姿が見える、との言い方があるが、いったいどれくらいの人が、弦楽三重奏と弦楽四重奏と弦楽五重奏を聞き分けられるのだろう。肩に乗せて弾くヴィオラを聴いて、チェロを膝に挟んで弾く姿を連想している人は、結構多いんじゃないだろうか。(テレビで見るまで、私はパールマンが座ってヴァイオリンを弾く人だと知らなかった。)

音盤から「絵」が浮かぶのは、原理的に、妄想力だと思う。妄想大いに結構。

      • -

個人と個人の師弟関係に固有の意味があるとしたら、煎じ詰めれば「一子相伝」の「秘儀」を授けること(「何か」を授けた/授けられたと当事者の間で何かが通じること)だろう。「わたしの尊敬する○○は、このように教えてくれた」とあちこちで言いふらす人は、その「教え」(と信じるもの)をあちこちに言いふらす時点で、実は何も教わっていないのに何かを得たと思いこんでいる可能性が高い(=片想い?勘違い?虚言癖?)。むしろその人は、師弟関係とは別の位相に流通する知識・情報(コモンズ)を伝播する媒体(medium)なのだと思う。なんと悦ばしいことではないか。十方衆生、南無阿弥陀仏。

戦後日本のジャズ文化―映画・文学・アングラ

戦後日本のジャズ文化―映画・文学・アングラ