新陳代謝、悪すぎ

経験上、40過ぎてる、いい歳のオッサン、オバサンが、二十歳の頃のままのつもりなのか、若い頃読んだ文体と思考法で、想定読者は自分と同世代かそれ以上、という設定で文章を書くと、結果は醜悪なものになる。気色の悪い自堕落なうなずき合い。「ボクはワタシは永遠に若い最年少」シンドローム。

たぶん、周りのことを考える余裕がなく、わがことに必死なのだと思うが、とりあえず、そういう風に心が二十歳で止まってしまった若年寄じゃなく立派に生きてこられたオジイチャン、オバアチャンというのは、そんな風に下から見上げて擦り寄ってくる気持ちの悪い言葉にまとわりつかれるよりも、孫たちがすくすく育つのを眺めるほうが嬉しいみたいだよね。

朝比奈隆最晩年の、音楽を語る言葉がことごとく老年化していた、いやな時代の記憶が蘇る。あれは、朝比奈さん(とその世代)ご本人の問題ではなくて、そのまわりで、目が上のほうにくっついた感じに、20代30代から言葉と意識を更新せずにその周りへひっついて生きてきた人たちが生み出す雰囲気だったのだろうと思う。

今からそんなのだと、いずれ、ああなるよ(笑)。現状では、新陳代謝が悪いのは特定の領域だけみたいなので、ほっとけばいいか、と思うけれども。

ああ、気色悪い。