十六夜

「何だかよくわからないものは下手にイジらないで、そっとしておこう」とか、「今はしばらくそっとしておいてほしい」とか、というのは、おそらく、相対主義という一定の歴史的経緯のある立場表明とは別の言葉で呼んだほうがいいのだと思う。

配慮、気遣い、思いやり?

特殊日本的で翻訳不可能、でない言葉はないのかしら。

ためらい?

hasitate は、ラテン語の haereo(くっつく)が語源で、adhere/adherent(粘着)や cohere/coherent(干渉)と同系統の言葉らしく、すっきり爽やかに乾いていない感じが東アジアの気候風土を感じさせて、これかな、という気もするが、

「二の足」は、歩きだすときの二歩目という意味で、歩くときの一歩目は踏み出したが、二歩目はためらって足踏みすることから。思いきることができなくて、迷う気持ちをいう。

二の足を踏む - 故事ことわざ辞典

これはちょっと違うか。

いざよ・う〔いざよふ〕【猶=予う】

  1. 進もうとしてもなかなか進めない。躊躇(ちゅうちょ)する。ためらう。「傾きかかった月の光が、―・いながら、残っている」〈芥川・偸盗〉
  2. 進まないでとまりがちになる。停滞する。とどこおる。「あじろ木に―・ふ浪の音深(ふ)けてひとりや寝(ね)ぬる宇治の橋姫」〈新古今・冬〉
いざよう【猶予う】の意味 - goo国語辞書

これが美しそう。丸山眞男が着目した「いきほひ」と対になりそうだし、「いざよい」を世界へ伝えましょう。イザヨイズム宣言、いざよいの倫理学。いざよわずに即決。イザ!