セクハラ・アカハラとアートの神聖視による不当な束縛

「経済とは金持ちによる富の独占を肯定する悪魔の思想である」という偏見にとらわれて、「アーツ・マネジメントは神聖であるべきアートを富の一種とみなす悪魔の手先である」と嘆くタイプの憂国・亡国論は、

「女性は家庭を守る貞淑な存在でなければならない」という偏見にとらわれて、「フェミニズムは神聖であるべき女性を俗人とみなす悪魔の思想である」と嘆くオトコに似ている。

両者はほぼ同型の思考かもしれない。

日本の大学におけるセクハラ・アカハラへの取り組みは、以前に比べれば進んでいるとはいえ、まだまだであると言われたりするようで……、アートを神聖視してマネジメント不能な領域に囲い込む思考様式もまた、いまだに大学人に根強いらしいことが先頃明らかになった。

フェミはポモやCSと結びつくことで保守派に警戒され、アートをちゃんとマネジメントしようという呼びかけは、民間主導・事務方主導であることによって大学の殿上人から蔑視されることがあるようだ。

アーツ・マネジメントと呼ばれる取り組みが玉石混合なのは否めないが、あなたたちには玉と石を見分ける知性が備わっていると信じたい。

美学・芸術学関連学会の真剣な取り組みが望まれる。

「漢(おとこ)」とか「胸アツ」とかの精神でアートの前に立ちはだかるのは、全然イケてないです。