どうやら、これは「ちょうふく」と読むんだよ、と指摘するのはうっとうしい上司が新入社員をいびる定番であるらしいが(笑)、
いかにも、そんなのはどっちだっていい、と言いそうな太陽族さんの「じゅうふく」に引っかかるより、北大路欣也がジュディ・オングに向かって立派な口調で言った「つきずえまでには……」の台詞を記憶に留めておくほうが、たぶん、日本語の語彙は豊かになる。
(脚本家がこの読みを指定したのか、さすがは市川右太衛門の御曹司、ごく自然にこのように言ったのか……。)
サラリーマンのサラリーマンによるサラリーマンのためのニュースショウばっかりみてると自家中毒で心がすさむ、ということかもしれないし、
日本活動写真株式会社に弟の世話を頼んだ人と、東京映画配給株式会社の二世俳優では同じ日本語でも使う語彙の分布が違う、ニホンゴはひとつじゃない、ということかもしれない。
- 作者: 春日太一
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2013/11/14
- メディア: 単行本
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