官僚制を考える(3)

官僚的な組織の責任者は、在任期間中こそあれこれ言われるが、退任すれば免責である。そしてまともな組織であれば、あとはどうにかやりようがあるものだ。

一方、組織の内外に「憎まれっ子として世に憚る」人がいる。いいこともやるが、困ったこともやる。そしてこういう人は、組織のしくみを越えて動くので、「退任」ということがなく、その影響が当人の存命中はいつまでもくすぶり続けたりする。

システムをあとでメンテナンスするときに面倒なのは、実は前者ではなく後者だったりするのだが、「憎まれっ子」がうるさく、表面化すると余計な面倒が増えるだけなので、通常それは表に出ずに、人知れず地道に処理され、担当者だけが泣いていたりする。

しかも、こういうイレギュラーな案件処理においてこそ、担当者のプロフェッショナルなスキルが最高度に発揮され、信頼と経験値をアップさせるきっかけになったりするから、泣きもできず笑いもできない不条理、だったりするものである。

(トリックスターとして大向こうの喝采を浴びる人は、「中の人」から見るとこんな風であるかもしれない。もちろんそうではなく、外から見たらトリックスターで、中からみても周囲と上手につきあって仕事のしやすい理想の同僚、ということもあるかもしれないが。)

あなたはどっちのタイプ?