- 作者: 柄谷行人,佐藤優,スラヴォイ・ジジェク,丸川哲史
- 出版社/メーカー: 青土社
- 発売日: 2014/12/19
- メディア: ムック
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巻頭で対談している柄谷・佐藤は、どちらも戦争が起きるときは起きるだろうなあ、と思っているように見える。
柄谷は、ああいう人だから、それでグローバル資本主義が倒れるんだったら、大変ではあるだろうけれども決して悪いことばかりじゃないだろう、と思っているようだ。
一方の佐藤は……、日本が負けても勝っても、私は必ず勝つ側に立てるであろう、それだけの準備と根回しは既にしている、と暗に言っているように見えて、なんだかとっても怖い。
「戦争は嫌だからアベちゃんのやることは全部反対」というのに比べると随分と高級な話題をやりとりしているけれど、
今、世間は、こんな風に高踏的な人も普通の人も、既に戦争は起きるもの、と決めてかかってるんですかね。(どこで誰と闘うんだろう。相手は誰でもいいのか、なんにせよ怖いとしか思わないから。)
その、何も言わずにこうなるものと決めてかかる無言の連帯が一番怖い。
実はこれが、物事をその方向へ押し流す決定的な力だったりするような気がするんだけどね。
「私が賛成しようが反対しようが、起きるときは嫌なことが起きる。先々のことを考えたときに、今、賛成しとくのと反対しとくのとどっちが私にとって得なのか、くらいしか考えることはない」
という後ろ向きな損得勘定をする人が出てくるのはしゃあないとして、とりあえず、無茶な指令にはおいそれとOKを出さなそうなんを責任部署に立てとこう、とか、できる手当はしといたほうがええで。