というわけで大阪→東京→松本→大阪、3泊2日の旅から帰宅。
ツィマーマンは、卓抜な「字幕アート」のおかげで作曲者が言う「Lingual」の構想が蘇った公演ということになるんだろうなあ
(でも、ああいう技法による「意味の剥落」は、外国語だから楽に聴けるところがありそうで、もし誰かがツィマーマンを日本にローカライズした場合はどうなるか、日本人にとって訴求力があり、意味や記憶がべったり貼り付いているタイプの声・言葉による Lingual は成功するのだろうか、三輪眞弘の「海ゆかば」にはちょっとそういうところがあったけれど)
とか、
ベルリオーズの最後のオペラの、絶対に本音を言わない主人公のカップルと、本心があらわすぎて見ている/聴いている方が失笑してしまうもうひとつのカップルが織りなす喜劇は、舞台の上をそういう風にばっちり作っておいてくれないと、音楽に頼られても困る。芝居ができあがっていてはじめて、機敏に介入する音楽が活きるんだろうなあ、
(だってヘンデルみたいなアリアとか、グルックみたいなレチタティーヴォとか、大まじめなシーンは基本ギャグですよね。そして最後に「結婚」でドン・ジョヴァンニみたいな和音を鳴らしたり、音楽はめちゃくちゃ「美味しい」役回りなわけだけれど、これが効果を発揮するためには舞台がちゃんとお膳立てしておいてくれないと困る)
とか、
割合普通の感想を色々思いついたけれど、当初からこの旅のクライマックスはすべてが終わった最終日の「聖地巡礼」。
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生瀬勝久がカッコつけて煙草吸っていた場所は本当に喫煙コーナーで、ちゃんと灰皿が置いてあったりして、信州まつもと空港はドラマそのまんまの場所だった。
ただし実際に行くと、エスカレータとか、何の変哲もなく、そんなに新しいものじゃないのでガタガタ言ってるし、ドラマの印象よりもずっと小さい。
2階の搭乗待合室(ガラス越しの電話がホントにあったし、おじいちゃんが行こうとして行かなかった方角にちゃんとトイレがある)も、椅子がけっこうびっしり並んでいて、香川照之はこんな狭いスペースで飛び回っていたのかと驚いた。
一目でみわたすことができるサイズの普通の空間を活気づかせるわけだから、妙な言い方だが、あれは「大きな小劇場」だったんだなと思う。