「寸法」という文化? 大阪万博感謝状の謎

必要があって写真用パネルを探しているのだが、写真用紙のサイズは、L判とかの他に、モノクロ写真時代からの「全紙」「半切」「四切」「六切」というのがあって、デジタル写真をプリントアウトする時代になって「A3ノビ」など、新しいサイズ概念も登場していると知った。

画用紙のほうにも「四切」(392×542mm)というのがあるけれど、これは別系統で生まれたサイズであるらしい。

さらに、ついでに賞状のサイズを調べてみたら、こちらは「八二(はちに)」「七〇(ななまる)」「六二(ろくに)」「四市(よいち)」など、いかにも業界用語っぽい名称があって、これは100平方のガラスから切り出すことのできる個数に由来するらしい。賞状は額装するのが基本で、副賞として額が添えられたりするので、説明されてみれば、なるほどなあ、と思う。

(「褒章」や「勲記」という呼称のサイズもあるようで、そういう種類の賞与に関係するんでしょうね。)

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そして大栗裕が授与された賞状を採寸してみると、大阪府芸術賞も吹奏楽アカデミー作曲賞も、賞状のサイズは正確に縦 318mm × 横 440mm で、これは「大賞」とも通称される「A3大」サイズであるようだ。

一方、1970年の日本万国博覧会でテーマ音楽「EXPO'70讃歌」を作曲したことへの感謝状は縦 395mm × 横 300mm で、あまり一般的な寸法ではないようだ。

そして他の様々な紙の寸法を思いつくままに検索していると、絵画のキャンバスのサイズ、いわゆる号数というのに行き当たった。「6号F」(FはFigureで人物画を指すらしい)というサイズが、縦 409mm × 横 319mm で一番近いように思える。

何ら確証のない推測に過ぎないが、大阪万博はプロデューサー制で各部署がそれぞれに動いていたようだから、感謝状等が通常の賞状類とは別のルートへ発注されて、美術系のところがキャンバスのサイズに準じたものを出してきた、というようなことなのだろうか?