尚工舎と精工舎

日本万国博覧会は謎が多い。

前に書いた、大栗裕に贈られた記念プレートの「MINTED BY SHOKOSHA LTD」の刻印だが、どうやら万博記念メダル等にも同様に「SHOKOSHA」もしくは「尚工舎」の刻印があり、シチズンの前史にたどり着いてしまうようだ。

シチズン CITIZEN は、山崎亀吉が経営した銀座の山崎商店と、同じく山崎亀吉が設立した尚工舎による時計ブランドで、「CITIZEN」の名は東京市長・後藤新平(←実に色々なところに登場する人物である)が付けたとされる。

尚工舎は現在のシチズン・ホールディングスで、山崎商店のほうは、現在の田中貴金属 GINZA TANAKA であるらしい。

GINZA TANAKA 公式サイトには、東京オリンピックや日本万国博覧会の記念メダルを販売、とあるので、「SHOKOSHA/尚工舎」の刻印はシチズン系列の製作であることを指すと考えて間違いなさそうだが、どうして会社の旧名が刻印されたのか、定かではない。

万博の受注にシチズンの社名を直接出せない事情があってこうなったのか、あるいは、英語社名を SHOKOSHA Ltd. としていたのか……。

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ちなみに、SEIKO のほうは、服部金太郎がやはり銀座で経営した服部時計店と精工舎による時計ブランドで、大阪に住んでいるといまいちピンと来ないが、服部時計店の時計台といえば銀座のシンボル、現在の銀座和光 WAKO であるということになるらしい。Wikipedia を見ると、ゴジラが壊した時計台だと説明されていたりする。

CITIZEN: 尚工舎/山崎商店(山崎亀吉) → 田中貴金属 GINZA TANAKA
SEIKO: 精工舎/服部時計店(服部金太郎) → 銀座和光 WAKO

どっちがどっちなのか、ややこしい。