今度、査読論文を投稿する機会があれば、先方から届くことになるであろう査読結果の文章を添削して返送する、という作戦を敢行したいものだと思っている。
「貴編集委員会から送付された査読結果の文章は、以下の点に不備があります。学術研究の場に粗悪な事務書類が介在することは、知的生産の精度と効率を低下させて、研究の質を確保する障害となります。当方の指摘を検討して、査読結果を再送してください。なお、改善が見られない場合は、査読結果を受理しない場合があることを、あらかじめお伝えしておきます。」
みたいな。
論文の査読が終わって、数カ所の修正で受理が確定、次号発行までのスケジュールがFIXした段階で、自分たちの作った文書の不備で予定が狂うとなったら、困るのは投稿者ではなく編集者のほうです。ストライキみたいなものですよ。
学問が competiton であり、共に協力して最善を探す営みなのであれば、投稿者と査読者に、両者を橋渡しする編集部を巻き込み切磋琢磨するのが望ましい。
みんなもやってみたら、どうかな。論文の投稿が、きっと一挙に楽しいゲームに変貌すると思うよ。
交渉が決裂したら、もっとまともな学会に投稿しなおせばいいだけのこと。そうやって、学術論文を「売り手市場」に変えてしまおうではないですか。学問のデフレ脱却策ですよ。
理不尽な要求を拒否するのは、健全な市民社会の基本だし。