自由意志

高いから買わない、はデフレスパイラルの典型的なマインドセット。高いけど、ここをこうしてあそこをああすればなんとかなる、を積み重ねるのが市場経済における自由意志ではないだろうか。

俗世には拒否権以外の自由はない、というのでは、宗教家の形を変えた世俗世界の否定になる。国連安保理事会の戦勝国特権と労働者の交渉の権利と消費者の戦略を拒否の一語で混ぜて統合してはまずいだろう。

阪大卒業生の一部には、学芸賞の賞金で自家用車を買うのが粋である、という謎の伝説があったようだが、彼は何に使ったのかなあ。あれは、山崎正和先生が仕組んだ受賞者への自由意志の試練かもしれないわけだが。