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レオ・シロタやクロイツァーの評伝を書いた山本尚志さんが、数年前に『日本音楽学会30年史』を資料として、音楽批評と音楽学の関係を考察していらっしゃったことを知りました。

日本を愛したユダヤ人ピアニスト レオ・シロタ

日本を愛したユダヤ人ピアニスト レオ・シロタ

レオニード・クロイツァー―その生涯と芸術

レオニード・クロイツァー―その生涯と芸術

「音楽学と音楽批評の関係の基礎的研究」という全15回の記事の第8回以後で『日本音楽学会30年史』が検討されています。

http://ameblo.jp/gruneanker/entry-10031726475.html

『30年史』の回想を考察の典拠となりうる事実だと承認すると、山本さんが展開していらっしゃるような話の展開になり、資料批判の精度を高めることで、同誌の回想には別の読み方が可能ではないか、という疑念を実践的にデモンストレーションする試みが、わたくしの長い長い考察だということになると思います。山本さんは、『30年史』の記述を「音楽批評と音楽学」という審議における証拠として採用しており、わたくしは、そのままでは公判を維持しうる証拠とは認めがたいと判断して、独自に再調査を試みたということです。