承前:西洋音楽は日本でどう聴かれてきたか

[12/20 付記を加筆。]

音楽の認知心理学

音楽の認知心理学

まだ内容は何も考えていないのですが、題目は北野圭介さんの本から借りて、北野さんの本のプロットで、舞台を日本、主人公を西洋音楽に置き換えたリメイク版を製作・上映(笑)できないものだろうか、という思いつきです。

東大美学の分析哲学への宗旨替えがほぼ完了しつつあると思われる現状で、その文脈は、おそらく、「世界の音楽理論事情」というよりも、「世界の音楽理論事情を見据えつつ、日本のオピニオン・リーダー(?)がどのように舵取りしようとしているか」という情勢論のような気がするのです。ドイツ(←ダサい)やフランス(←気取ってんじゃねえよ)を捨てて、これからは藝術・文化もアングロ・サクソン(←イギリス、アメリカと言っても、多数派を占めつつある移民系の有色人種ではなく、郊外のgeted cityに立てこもる白人さんのほうね)で行こう、三国同盟で国際情勢から孤立したのと同じ轍を踏むまい、みたいな。

そしてそのような情勢論のための資料としてであれば、(好き嫌いを度外視して)ニコラス・クックを読まねばならんのかもしれないご時世なのかな、と。

地に貼り付くようにここに一生いるんだろうなあ、と思っている人間にはいまいちピンと来ませんが、我が国の最良の知的リソースは、いざとなったら国外へ脱出せねばならないかもしれず(=ディアスポラという名の新種の終末論)、そのためには、「国際情勢」に立ち遅れてはならない。主たる活躍の場が「国際市場」になるであろう若き才能には、今からグローバルな知性を叩き込んでおかねばならぬ。ということになるのでしょうか。

もしそうなのだとしたら、これは、薩摩藩から旧帝国海軍を遠く祖と仰ぎつつ1960年代に「近代化論」へ梶を切った日本の知識人が正しく進化しているのかもしれません。美しき我が祖国、「海ゆかば♪」

音楽家や売文業者は、「黙って事変に処す」弱い立場でございますから、上がそう言うのならついていくしかないのかなあ、と(笑)。

アルテス Vol.1

アルテス Vol.1

  • 作者: 坂本龍一,片山杜秀,吉岡洋,佐々木敦,大石始,石田昌隆,三上敏視,輪島裕介,川崎弘二,毛利嘉孝,谷口文和,山崎春美,長谷川町蔵,三井徹,加藤典洋,岡田暁生,椎名亮輔,高橋悠治,ピーター・バラカン,大友良英,三輪眞弘
  • 出版社/メーカー: アルテスパブリッシング
  • 発売日: 2011/11/25
  • メディア: 雑誌
  • 購入: 2人 クリック: 16回
  • この商品を含むブログ (13件) を見る
21世紀の青年将校はこれを読め!軟弱な高橋悠治に耳を貸すな!!腐ったページは破り捨てろ!!!

……てな感じでしょうか。

独裁者 (2枚組) [DVD]

独裁者 (2枚組) [DVD]


[12/20 付記]

渡辺裕の弟子たちに異を唱えると、彼らは「白石は考え方が古い、彼は既存のシステムにしがみつき、延命させようとしている側の人間だ」と自動的に「敵認定」されてしまうわけですが(笑)、既存の資産を元手にバクチを打とうとしているのはどっちなのか。上手いこといって、いわゆる「考え方の旧い人たち」を上手に抱き込んでいるのは君たちのほうではないか、と思うわけです。

そして、その「とりあえず自分たちに都合が良いことができればそれでいい」という姿勢のツケをあとで支払うなどということになるのはまっぴらである、と私などは思うわけですが……、かれらはきっと当面は優秀な「勝ち組」なのであろうと思われるので、だったら、将来、彼らが暴れ回ったあとのツケや損失がどれくらいになるのか、十年後二十年後を見据えた見積を出して心の準備をしておかなければ仕方がない。

今年に入って、これまで不足していたこととの批判が急速に高まっている「危機管理」というのは、ギャンブルをやるときに見積をちゃんと出そうということだと思いますし、私が「情勢論」というのは、今自分がどのように動いたら有利か、というより、もっと先の見通しの意味を含んでいるつもりです。

彼らが人の話を聞かない(聞くリテラシーを欠いたまま今日に至っている)ことは、既にだいたいわかっていますから、周りに直接的な迷惑をかけないのであれば、好きにやっていただければそれで結構。収支決算と取り立てがその後に待っているだろうと思いますが。

呪いの時代

呪いの時代

監査とか債務の取り立ては、「呪い」ではなく、合法的な契約の履行だから、あたりに不吉な言葉をただよわせることなく可能なはずですよね。いつもニコニコ明朗会計! これがナニワの金融道ということで。(^^)