映画やビデオのような舞台を何と呼べばいいのかしら?

二次元スクリーン上の三次元効果(この言葉が適切なのかわからないけれど)を三次元空間にもちこんで、まるで映画やビデオを見ているかのような舞台が最近よくあるじゃないですか。

マンガやアニメを人間が演じた映像作品のことを「実写版」と言いますが、だとしたら、映画やビデオのように二次元スクリーン上に映し出された映像が開拓した様々な効果・表現を劇場の舞台にもちこむことは、なんと呼べばいいのでしょう。

二次元スクリーン上で様々な効果・表現を試みることがさかんだった20世紀を経て、最近のオペラの舞台はそういうのを取り込もうとしているような気がするのですが、これをどう呼んだらいいのか。

Virtual Reality の逆ですよね。

遠近感を攪乱したり、特殊な編集を施した画像に似た効果を狙ったり、影を照明で上手に消してモノやヒトの実在感を希薄にしたり、いろいろな技法の集積で実現している感じがあって、きっとオペラだけでなく、舞台パフォーマンス全般でそういう傾向があるんじゃないかと推測するのですが。

舞台のヴァーチャル化、だろうか?

こういうスタイルを「美しい」と形容する感性、新しいタイプの視覚的欲望みたいなものが、今は確実に育ってますよね。新国の「死の都」の写真映えのする舞台(栗山センセイには発想できないであろうような)は、それだ、という気がするのですが。